旗竿地で開放的にすまうために計画された住宅です。
敷地は、周囲を石垣や万年塀、隣家などに囲まれ、まるで天井の無い大きな部屋のようでした。個室群のある1階は、そうした石垣などを第二の外壁に見立て、4つの室内と4つの庭とが各々1セットになるように計画されており、実際の室内面積を超える広さを感じられます。一方LDKのある2階は、周囲からの視線に配慮し大きな箱に小さな窓を設けています。このLDKは大きなワンルームですが、垂壁や袖壁によって小さな居場所が緩やかに設けられていて、家族が個々に自分の活動をしながらも緩やかに繋がれるような場所になっています。
積み重ねられた「かざぐるま型」の壁は、旗竿地に根を張る大樹のようでもあり、その周りを子供達が元気にグルグル駆け抜けていくそうです。